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ユニバーサル・オーディオのオーディオインターフェイス

Apollo Twinの革新的機能「ユニゾンテクノロジー」の実力

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Apollo Twinには、アナログのハードウェアの特性を忠実にエミュレートする「ユニゾンテクノロジー」(以下、ユニゾン)という機能が搭載されています。エンジニアの森田良紀さんにApollo Twinをレコーディングで使ってもらい、ユニゾンの性能を試してもらいました。
(取材・文:目黒真二 写真:小貝和夫)

「ユニゾンテクノロジー」の音は
演奏者の気分を盛り上げてくれます


―まず、Apollo Twinを使ってみた感想を聞かせてください。

森田:デザインがいいというのが第一印象でした。優れた機材に共通する独特のフォルムがApolloTwinにもあって、ツマミやボタンのデザイン、必要最小限に絞りながらも応用が効く端子構成には好感が持てますね。

―音の印象はいかがでしたか?

森田:僕はApollo Twinの兄貴分にあたるApollo 16を使っていますが、音の雰囲気は同じでした。Apolloシリーズは部品構成とかが共通していて、他社製の宅録用オーディオインターフェイスと比べると、1つ上のクラスの音という感じがするんですよ。

―今回は、どのようにサウンドをチェックしたのでしょうか?

森田:アコギとエレキベース、ボーカルをレコーディングしてチェックしました。ApolloTwinの「ユニゾン」を使用した状態と使用しない状態の両方を録って、さらにユニゾン対応プラグインの元となった製品と同系のハードウェアを通して録音を行なって、それらを比較試聴しています。今回チェックしたのはすべてプリアンプで、現在ユニゾンに対応しているユニバーサル・オーディオの610-Aと610-B、それとAPIのチャンネルストリップという3種類のプラグインを試しました。

―アナログのハードウェアと比較してみて、サウンドの印象はいかがでしたか?

森田:610系の独特のサチュレーションや、APIならではの音の暖かみとかをうまく再現していると思いました。音の傾向は実機と同じと言っていいと思います。低域から高域までのレンジ幅に違いはありますが、注意深く聴かないとその違いはわからないと思いますし、そのレンジ幅の違いによって、かえってユニゾンで録った音の方がオケの中でなじみやすかったりするんです。デジタルで録るようになってからも多くのプロがビンテージのアナログプリアンプを使うのは、単純に録り音がいいからだけではなくて、その音が演奏者の気分を盛り上げてくれるからなんですね。Apollo Twinはアナログのハードウェアが持つその「気分が盛り上がる音」を再現しているので、安心して作業をすることができました。

―Apollo Twin本体のマイクプリの音質はいかがでしたか?

森田:ユニゾンを使わずに、純粋にApollo Twinのマイクプリだけでレコーディングをすると、音質的にはかなりフラットなんです。なので、これだけでも十分安心して録れるんですが、ユニゾンでアナログのマイクプリをエミュレートした方がサウンドの高揚感はすごくありましたね。宅録の場合、マイクプリでフラットに録っておいてプラグインで味付けをするというやり方が一般的だと思いますが、Apollo Twinのユニゾンを利用すれば、しっかりとおいしい音を作って録るという、ハードウェア的な音作りができるんですよ。こういうかけ録りを宅録でやるのは、実はすごく大変なことなんです。

―それはどういうことですか?

森田:プラグインをかけ録りしようとすると、従来このクラスのオーディオインターフェイスでは、どうしてもレイテンシー(音の遅れ)が気になって、演奏者がプレイに集中できないことが多かったんです。その点Apollo Twinは高速のThunderbolt接続なので、まったくと言っていいほどレイテンシーを感じないんですね。しかも、プラグインの処理をパソコン内部のCPUではなく本体内のDSPで賄っているので、積極的にかけ録りができます。これはとても大切なことだと思いますよ。エンジニアとミュージシャンの双方が安心して音作りをしたりレコーディングができるんです。

―その他に注目した部分は?

森田:電源アダプターが不意に外れないようにロックタイプになっていたり、ファンタム電源をオフにした時に、マイクへの通電が完全に切れるタイミングを点滅表示で教えてくれたりといった、細かい気遣いにも感心しました。

森田良紀

森田 良紀(モリタ ヨシノリ)

(株)Nirvana所属。自社スタジオ「studioforesta」のエンジニアとして豊崎愛生、moumoon、AI、IMALUなどの作品を手掛けている。また、近年は音楽ライブ配信などの映像制作も行なっている。日頃からユニバーサル・オーディオの2-610(プリアンプ)をエレキベースのレコーディングなどで愛用している他、同社のUAD-2とApollo 16のユーザーでもある



ユニゾンテクノロジー

▲ユニゾンテクノロジーとは、シミュレートするプリアンプに合わせて、インピーダンスやゲインの幅などの特性を自動的に変更してくれる機能のことだ(クリックして画像を拡大できます)




Apollo Twin 製品概要

ユニゾンテクノロジー

 Apollo Twinは2イン/6アウト、24ビット/192kHz対応のオーディオインターフェイスに、プラグインを処理するためのDSPを内蔵したThunderbolt接続のハードウェアだ。2chのプリアンプと、ギターやベースを接続できるHi-Z 端子を装備し、ビンテージハードウェアを再現するプラグインを付属している。


価格:オープンプライス
(市場予想価格:SOLO=¥75,000 /DUO=¥95,000)

外形寸法:150(W)×57(H)×152(D)mm
重量:約1.05kg
問:(株)フックアップ
TEL:03-6240-1213 http://hookup.co.jp/




従来のApolloもユニゾンに対応!

apollo

 UADソフトウェアのバージョン7.5が発表され、Apollo Twinに搭載されているユニゾンテクノロジーが、従来のApollo Duo/Quadでも使用できるようになった。ここで紹介した610A/BやAPI VisonChannel Stripはもちろん、今後続々と登場するユニゾン対応プラグインを利用することで、アナログ回路の忠実なエミュレートが実現するようになるのだ。



ユニゾン対応プラグイン 610-A/610-B
音楽的な歪み感が加えられるチューブプリアンプ

610-B

610-A

▲右が610 -Aで、左が610-B。使い方はまずLEVELを「5」の位置に合わせてからGAINで大まかな感度を決め、その後にLEVELを上げてサチュレーションを加えていく

僕は普段から、エレキベースのライン録りには必ずと言っていいほど、この610の実機を使っています。610はベースのおいしいポイントを出してくれて、音にグンと存在感が出てくるんですね。
ユニゾンの610も、その特徴的なサウンドをバッチリ出してくれました。ローを少しずつ足していくとベースがドライブする感じも実機とまったく同じですね。他のパートに使ってもいい感じの音になると思います。例えばウィスパー系のボーカルや、ギターのアルペジオのようなプレイとか、あまりダイナミクス(強弱)が付かない演奏に使うとピッタリですね。ちなみに、ユニゾン対応の610はAとBの2タイプがあって、Aの方がキャラクターが強めです(※)


2-610

▲比較試聴に使用した2-610。数々の名盤で使用された610コンソールを元に、シェルビングEQを備えるなど、現代のニーズに応えて改良された2チャンネルのチューブプリアンプだ



ユニゾン対応プラグイン API VISION Channel Strip
APIの派手な音色と
個性を再現したチャンネルストリップ

API VISION Channel Strip

▲アコギのストロークでのEQセッティング。ハイ(5kHz)、ハイミッド(3kHz)、ロー(200 Hz )をそれぞれ2dBずつブーストして定番の音色を作っている

API VISION Channel Stripは、マイクプリ、コンプ、EQ、フィルター、ゲートという5つのモジュールが一体化されたもので、レコーディングの定番機と言えるチャンネルストリップです(※)。音質的にはハイとミッドが張り出すロック寄りの派手な音で、ユニゾンでもそのへんをうまく再現していると思いました。
その音質を活かして、今回はアコギとボーカルの録音に使ってみました。特にボーカルの声をプロの作品で聴けるようなサウンドにしたい場合に使うと有効ですね。アコギはストロークプレイに適していて、右側のEQでミッドとハイを若干持ち上げて少しコンプをかけるだけで、いわゆる皆さんが聴いている「CDの音」になります。


API カスタムメイドプリアンプ

▲ユニゾンテクノロジーのAPI VISION Channel Stripのマイクプリ部との比較に使用した、APIコンソールのプリアンプ部をモジュール化したカスタムメイドのプリアンプ



(※)610-AとAPI VISION Channel StripはApollo Twin付属のRealtime Analog Classics Bundleには含まれず、オプションとなります。