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宅録のためのモニタースピーカー
ジェネレック「M030」とダンスミュージックの親和性を検証!
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プロスタジオ用のラージスピーカーの開発で知られるジェネレックが、自宅向けのモデル「M030」を発売しました。多くのヒット曲を手掛ける作・編曲家の江上浩太郎氏に、ダンスミュージックの制作で、M030がいかに性能を発揮してくれるのかを検証してもらいます

取材:藤井 浩 写真:桧川泰治


いいスピーカーはキックのピッチ感がわかりやすい

江上さんは、普段からジェネレックの8020というスピーカーを使われていますが、それを導入したきっかけは?

江上:ジェネレックのスピーカーは、ラージも小型もスタジオで音を聴いたことがあったので、品質が良いということは知っていたんです。それで、今のスタジオに引っ越す時に、8020にしました。

それまでは違うメーカーのスピーカーを使っていたんですか?

江上:はい、他社製のダンスミュージック向けのスピーカーを使っていたんですが、8020の音を聴いたら、こちらの方がダンスミュージックの制作に向いていたんです。音がとても素直で、低音もちゃんと出ていて、解像度も高い。それまで使っていた他社製のスピーカーは、低音が誇張されていて嘘っぽかったんですよ。

低音が誇張されているとミックスにも影響が出ますよね?

江上:ええ。本来出ていないはずの低音が強調されてしまうので、それでミックスした曲を別のスピーカーで再生すると、やたら低音のない薄っぺらい音になってしまうんです。

江上さんがモニタースピーカーに求めるポイントは?

江上:キックが聴きやすいことが第一のポイントです。それと、僕は結構キッチリしたミックスを作るんですが、音自体は柔らかいのが好みなので、そういう音がするスピーカーであることと、あとは出音の解像度や立体感もポイントですね。

「キックが聴きやすい」というのは、どういう意味ですか?

江上:キックのピッチ感がわかるということです。いいスピーカーは、キックが「ブン」と鳴る時のアタックのピッチがわかりやすいんですよ。しかも8020は、余韻が切れる時の「ドゥ〜〜〜ン」とピッチが落ちる感じまで聴こえるんですけど、これがダンスミュージックでは重要なんです。アナログ・ドラムマシンのキックとかは、ピッチ感がわからないとグルーヴにも影響が出ますからね。あと、僕は機材の色を白に合わせたいので、カラーバリエーションも重要視しています。それも理由で8020を選びましたから(笑)。


EDMとの相性が良くて
ダンス系の制作には最適

さて、今回は8020よりひと回り大きい、新機種のM030を試していただきましたが、その第一印象をお聴かせください

江上:僕のスタジオは約8畳と小さいので、音量のこととかを考えるとM030はサイズが少し大きめかなと思っていたんですが、置いたみたら意外と小さくて、まったく問題なかったです。

試聴では、どんな音楽ジャンルの作品を聴かれたのですか?

江上:基本的にはEDM系全般を聴いてみて、バンド系の楽曲も聴きました。EDMとの相性がすごく良くて、低音の伸びや解像度の高さ、定位感、全体的なバランスとかも、本当にダンスミュージック系の制作に最適だと思いました。ただ、僕が普段EDMのような派手な音楽ばかり聴いているせいかもしれませんが、バンド系の曲は色付けが少ない分、派手さは感じられなかったです。でも、サウンドのバランスは良かったですね。シンセは前に出てくる感じが良くて、歌はエフェクトのかかり具合がわかりやすかったです。

再生する音量によって、聴こえ方は変化しますか?

江上:どんなスピーカーも音量を上げていけば気持ちいい音になるんですが、M030は小さい音量で聴いても十分気持ち良かったですね。小さい音量で聴いても、大きい音量で聴いてもサウンドのイメージが変わらないんです。僕は爆音で作業することはないので、本当にこれを購入すれば良かったなとちょっと後悔しています。

今回の試奏は、セッティングはどのようにしたのですか?

江上:机の上にスピーカーを置きたかったので、アイソアコースティクスISOL8Rを台にしたんですが、低音の鳴りが太くて明瞭で、ちゃんと伸びがありました。それでいて誇張されていないので、キックもわかりやすいですね。

8020とM030の違いはどんなところにありますか?

江上:8020もちゃんと低音が出ているんですが、M030はさらに解像度が高くて、細部まで分離して聴こえるので、個人的にはリスニングも楽しめるという印象です。全体的な鳴りに余裕がありますね。音が見えやすいと、余分な音を削る作業とかが短時間でできるので、制作の効率もアップしますよね。それに、M030のような優秀なスピーカーを使ってミックスをすれば、小型のスピーカーやカーステレオとかで再生した時にもバランスが崩れないミックスが簡単にできると思います。

今後、M030への買い替えも考えていたりしますか?

江上:もちろん、これだけいい感じなら買い替えたいですね。でも、白がまだないので、白が出たら買い替えます(笑)!M030は、ダンスミュージックを作る人には絶対にオススメの製品ですね。


GENELEC「M030」

M030製品画像

M030は自宅での使用に最適化された小型のアクティブモニターだ。ウーファーは5インチで、自社製クラスDバイアンプ方式により、歪みを抑えながら高域30W/低域50Wの高出力を実現。また、環境に合わせて低域の膨らみを補正できる「ルームレスポンス・コントロール」を搭載している。ボディは環境保護に配慮し、ウッドファイバーを中心に合成したリサイクル可能な新素材を使用。ひと回りサイズの大きいM040もラインナップしている。

【SPEC】

「M030」オープンプライス
●ウーファー:5インチ ●ツイーター:3/4インチ ●最大出力:HF= 30W、LF= 50W ●周波数特性:58Hz〜20kHz ●最大音圧レベル:103dB ●クロスオーバー周波数:3kHz ●外形寸法:273(H)×190(W)×190(D)o ●重量:4.6kg(1本)

「M040」オープンプライス
●ウーファー:6.5インチ ●ツイーター:1インチ ●最大出力:HF= 50W、LF= 80W ●周波数特性:48Hz〜20kHz ●最大音圧レベル:107dB ●クロスオーバー周波数:2.5kHz ●外形寸法:337(H)×235(W)×229(D)o ●重量:7.4kg(1本)

江上浩太郎 プロフィール

江上浩太郎プロフィール画像画像

(えがみこうたろう)
音楽作家事務所「SUPA LOVE」所属。作・編曲家として様々なアーティストへの楽曲提供やリミックスを手掛けている。過去に手掛けた主な作品には、西野カナ「君って」(編曲)、板野友美「Stay by my side」(作曲、編曲)、剛力彩芽「Dear MYFRIEND」(作曲、編曲)などがある。R&Bやヒップホップを中心に、クラブ系のエッセンスを取り入れたバラードを得意としている。


ジェネレック8020画像

▲江上氏が普段のモニタリングに使っているというジェネレック8020


コルグELECTRIBE・SX画像

▲江上氏が音素材に真空管特有の質感を加える目的で使っているコルグELECTRIBE・SX


試聴の様子

▲試聴はスピーカーを机の上に置き、写真のように近距離で聴く形で行なった。これが江上氏が普段制作を行なう時の基本的なリスニングポジションで、モニター音をダイレクトに聴くことができるのだという


裏面

▲M030の背面には、設定する場所に合わせて低域の出方を補正するためのスイッチが装備されている。今回の試聴では、特にこのスイッチを使わなくても良いバランスで試聴ができたそうだ


スタンドISO-L8R

▲江上氏が8020を普段設置しているスピーカースタンドISO-L8Rに、M030を置いて試聴を行なった。この状態で音を再生すると、低音がより太くなり、気持ち良く伸びるようになったそうだ


スタンドISO-L8R

▲このように机の上に直に置くと、低音が締まる感じになるという。江上氏の場合、キックの音を細かくチェックする時は、スタンドに乗せた方が余分な音がカットされて、明確に聴けたとのこと



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