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Band-in-a-Box 22 for Windows徹底活用法最終回

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「Band-in-a-Box 22 for Windows」(以下、BIAB)は、アマチュアが手軽に曲を作れるだけでなく、プロのクリエイターも納得の楽曲制作機能を搭載しています。同アプリの魅力を紹介してきたこの連載の最終回は、プロの目線でBIABの魅力とオススメの機能を紹介してもらいましょう。登場してくれるのは、人気ボカロPの赤髪さんと、売れっ子クリエイターの40mPさんです。

取材・文:編集部


「Band-in-a-Box for 22 Windows EverythingPAK」

▲今回、赤髪氏と40mP氏が試した最上級グレードの「Band-in-a-Box for 22 Windows EverythingPAK」。メインのアプリと伴奏データ類をすべて付属のハードディスク(写真下)に収録しており、パソコンにUSBケーブルを使って接続するだけですぐに曲作りが始められる。なお、赤髪氏が注目したリアルトラックは1,818種類を収録している。


赤髪氏レビュー


 まず、BIABをひと目見た時の印象は、1つの画面にメイン機能のほとんどのメニューが表示されていて、とても使いやすそうだなということですね。
 曲作りの基本となるコードを入力する欄も大きく表示されるので、コード名などもハッキリとしていて見やすいですし、基本的なコードさえわかれば感覚的に曲が作れると思います。
 それと、バックトラックのサウンドのクオリティが高いのにも驚きました。このバックトラック(リアルトラック)は、プロミュージシャンの生演奏を録音したもので、ギターやピアノなど、どの楽器の音も非常にリアルです。音楽ジャンルやコード進行を変えていくと、それに合わせて最適な演奏表現をしてくれるという点もいいですね。

 どの伴奏スタイルもそのまま曲に使えるものばかりですから、1曲丸ごと自動で任せてしまうのもありですが、伴奏スタイルや作ってくれたコード進行を自分の曲のアイディアとして取り入れれば、今まで思いつかなかったようなアレンジの曲に仕上がると思います。BIABは、とにかく、曲のアイディア=引き出しがどんどん増えていくアプリですね。
 このことは、言い換えれば作曲の勉強にもなるということです。曲を作っていくとどこかで理論がわかった方がいいと思い始める時があって、僕はそれで音楽大学に行ったんですが、BIABは目で見て(画面で)コード進行やアレンジが変わっていくのがわかるので、作曲の勉強にも役立つと思います。曲作りを始めた頃にBIABがあればどんなに楽だったことか(笑)。

 その他に便利だと思った機能が「歌声合成機能」です。BIABはバックトラックだけではなく、歌声も自動で作ってくれます。歌詞とメロディを打ち込んで、そのファイルを歌声合成機能のサーバにアップすると、すぐに歌声のオーディオファイルになって返信されて、BIABのオーディオトラックに読み込まれるんですね。歌声を生成して返信されてくるまでの時間は、ほぼリアルタイムでした(※歌声の生成にかかる時間は、曲の長さやネットの環境によって変化します)。歌声の声質もそのまま使えるクオリティです。1つのアプリの中だけでここまでできるのは驚きですね。
 あと、BIABはコード進行に合わせてソロのフレーズを自動で作ってくれる機能もあるので、オリジナル曲のコードを入力してBIABにフレーズ弾かせれば、手クセでしか思い浮かばなかったソロが新鮮なフレーズになって生まれ変わるでしょう。楽器の練習にもぜひ使ってみてほしいですね。BIABに合わせて演奏すれば、プレイのスキルをアップできるでしょう。

赤髪氏画像

■赤髪(アカガミ)プロフィール

12月14日生まれ。音楽教室を営む家に生まれ、3歳からピアノを始める。中学から自らの意思でギターを始め、高校入学の後、本格的に音楽の勉強に打ち込み音大へ進学。 大学時代から活動していたバンドの解散をきっかけに、ボーカロイドによる音楽に新たな可能性を見出し、活動のステージを広げる。
 昨年、ヤマハミュージックコミュニケーションズ内のボーカロイド専門レーベル「VOCALOID RECORDS」からメジャーデビューを果たした、ハイクオリティな調教テクとストリングスアレンジを得意とする新進気鋭のボカロP。
http://www.akagami.net/


『melt away』

■最新アルバム 『melt away』
VOCALOID RECORDS
YCCV-10019



40mP氏レビュー


 僕は作曲を始めた頃にフリーの自動作曲ソフトを使っていたんですが、出来上がった曲を聴くと、無理やり作ったような感じにしかならなくて、不満があったんです。今回のBIABの取材のお話をいただいた時も、そういう先入観があったんですが、実際にBIABのサウンドを聴いてみて、その先入観が覆されました。
 BIABではプロのアレンジャーが作ったような音がそのまま再生されるんです。とにかく伴奏のサウンドがリアルですね。フレーズとフレーズのつながりも自然で、ジャンルや曲調を変えると演奏のニュアンスも変わってくれる。プロが何時間もかけてフルにアレンジしたものと変わらない演奏がものの数分で出来上がってきます。アレンジャー泣かせですね(笑)。
 オケができるまでの行程も、BIABを立ち上げて曲を生成するボタンを押すだけというほぼワンタッチでできるほどの手軽さです。これなら初心者でもすぐに曲ができてしまいます。ソフト自体の動作も非常にスムーズで、DAWソフトでプラグインの音色を呼び出して再生する時のような手間もなく、曲を生成して再生するまでのタイムラグがまったくないですね。本当にサクサク動いて、ストレスを感じさせません。

 内蔵されている伴奏の曲調(ジャンルやパターン)も豊富で、曲作りのヒントになります。僕は曲を作る際にリズムの各楽器のパートをMIDIで打ち込んでいくんですが、どうしても打ち込むパターンに手クセが出てしまうんですね。そんな時にBIABを使えば、例えばポップスやロックの曲をジャズっぽくしてみたりとか、普段作っている作曲の方法とは異なる作り方ができそうです。こうした曲調を変えるのもクリック一発でできるので、色々な曲調を試しながらの作業がはかどりそうです。
 この手軽さはプロの作曲家の目線からも便利だと思います。例えば、作曲の依頼を受けた時などに、歌詞と曲が出来上がった後に簡易的なアレンジのデモ音源を作るんですが、そこに結構な時間と手間がかかるんです。BIABなら、コード進行と展開さえ考えれば、オケを作ってくれる。これでデモの制作時間を大幅に短縮できる。日々、タイトな時間の中で曲を作っているコンポーザーとしては、本当に助かる機能ですね。

 それと、楽器のソロパートを作ってくれる機能がかなりいい感じですね。出来上がってくるソロのメロディが、鳴らす楽器やジャンルごとに演奏の表情の違いっといったかなり細かな部分まで再現されてくるんです。生成するたびに違ったメロディで再生されてくるので、その中から選べるのも便利です。
 Band-in-a-Boxは、プロにとっては曲作りのお助けソフトとして、そしてアマチュアにとっては、これほど曲作りを楽しくしてくれるソフトはないんじゃないでしょうか。

40mP氏画像

■40mP(ヨンジュウメートルピー)
プロフィール

2008年からニコニコ動画にオリジナル曲の投稿を開始し、爽やかでポップな楽曲で幅広い世代から人気を集めているボカロP。多くのプレイヤーや歌い手と共演して40mPの楽曲の世界観を表現するコンサート「虹色オーケストラ」を定期的に行なっている他、自身の楽曲「ドレミファロンド」を原作としたイラストストーリーブックの制作など、幅広く活動を展開している。


『41m』

■最新アルバム 『41m』
40メートル走(自主制作盤)
※Amazonなどで購入可能


虹色オーケストラ

■「虹色オーケストラ 〜Grand Symphony with Full Orchestra〜」

40mPの楽曲をオーケストラと歌で紡ぐコンサート。第五回目となる公演が2014年末、東京国際フォーラムにて開催決定している。詳しくは下記の公式サイトへ。

・開催日:2014年12月27日(土)
・会場:東京国際フォーラム ホールA
・公式サイト:http://rainbow-orch.com/


プロが注目したBand-in-a-Box 22 for Windowsの便利機能


BAIAB22便利機能リスト

@ 他のDAWソフトとの連携も抜群

他のDAWソフトとの連携も抜群

 他社製のDAWアプリとの親和性が高いのもBIABの特徴だ。BIABのトラックをツールバーの左上にある4つの枠で分けられた「ドロップステーション」にドラッグすると、WAVやMIDIのデータに変換される。そのデータをあらかじめ立ち上げておいたCubaseなどのDAWアプリのトラックにドラッグ&ドロップするだけで、DAWアプリのデータとして使うことが可能だ。


「DAWでゼロから打ち込んで曲を作らなくても、BIABの豊富なバックトラックのデータを持ってきて曲のモチーフとして使用できるのは便利ですね」(赤髪氏)

「BIABの素材を1つの操作で簡単にDAWアプリに持っていける手軽さがいいですね」(40mP氏)


A リアルなサウンドのバックトラック

リアルなサウンドのバックトラック

 BIABの最大の特徴が、クオリティの高い伴奏だ。その要となるのが一流ミュージシャンの演奏を録音したオーディオデータで伴奏が演奏される「リアルトラック」で、たんに種類が豊富なだけでなく、音楽ジャンルや楽器などの設定を変えるとその設定に合わせて演奏のニュアンスまで変えてくれる。


「ジャンルやコード進行に合わせて最適な演奏表現をしてくれる点がいいですね」(赤髪氏)

「プロのアレンジャーがそのまま作ったような音がそのまま再生されるにはビックリしました」(40mP氏)


B 歌声を自動で生成してくれる

歌声を自動で生成してくれる

 この機能には、名古屋工業大学で開発された歌声合成技術「Sinsy」(シィンシィ)が使われており、BIABで作成した歌詞とメロディの楽譜ファイルをBIABからアップロードすることができ、歌声が自動的に生成されてBIABのオーディオパートに入力される。
 メロディは、音符入力の他にMIDIキーボードでの入力や他のDAWアプリなどで作成したMIDIファイルを読み込むことも可能で、歌詞は音符ごとに文字を入力できる。歌声は、言語(日本語/英語)やボーカリストの種類(性別)、声質、ビブラートの強弱、ピッチシフトなども設定できる。


「歌声の声質もそのまま使えるクオリティで、1つのアプリの中だけでここまでできるのは驚きです」(赤髪氏)

「オケを作ってパッと歌メロを乗せられるので、作曲の入門者には本当に便利だと思います」(40mP氏)


C ソロを自動で作ってくれる

ソロを自動で作ってくれる

 「作った曲にソロパートを入れたいけど、カッコいいフレーズが思い浮かばない」。そんな時に便利な機能が、コード進行や楽曲のジャンルに合わせて最適なソロを自動的に作ってくれる「ソリスト機能」だ。演奏する楽器音はリアルトラックやMIDI音源から自由に選ぶことができる。また、リズムのノリやどの部分にソロを入れるかなどの細かな設定も行なえるので、自分では思い浮かばなかった新しいフレーズをどんどん生成できる。


「この機能を使って色々なパターンのソロやアドリブを再生させて練習すれば、曲作りのアイディアの引き出しが増えていくはずです」(赤髪氏)

「出来上がってくるソロは、コード進行や鳴らす楽器の違いまで認識してそのまま使えるくらいレベルの高いメロディが生成されてきます」(40mP氏)



■お問い合わせ:フロンティアファクトリー株式会社

http://www.biab.mu/rd.php?aid=14031ad



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