トップページ > 【プロがレビュー】デイヴ・スミス・インストゥルメンツ「Mopho X4」を使ってみた!

(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

ビンテージから現代風の音作りまで守備範囲の広いアナログシンセ デイヴ・スミス・インストゥルメンツ Mopho X4



小見出し

 本機はコンパクトですが、サイズの割に鍵盤数が44鍵と多くて、プレイはしやすいですね。デイヴ・スミスというとビンテージシンセのシーケンシャル・サーキットProphetのサウンドや操作性を引き継いでいるイメージがありますが、このモデルは現代の音楽にも対応していて、色々な音作りができるように新しいテクノロジーが投入されているという印象を受けました。

 一番の特徴は、512種類というファクトリープリセット音色の多さですね。この膨大なプリセットを順番に聴くだけでも、このシンセの守備範囲の広さがわかります。プリセットを聴いているだけで楽しいので、初めてシンセを触るという人もアナログシンセの魅力を味わえると思いますよ。

 初心者だったら音をゼロから作るというよりも、好きなプリセットを選んで、それを自分のイメージに近づくようにツマミで微調整して音を作って、512音色を保存できるユーザープリセットにセーブするという使い方がいいと思います。

 サウンドの質感としては、ベース系の低音が使いやすいと思いました。アナログらしく音が太いんですが、ミックスでエンジニアさんがカットするような無駄なロー成分を最初から抑えてくれているので、EQ処理をしないでもそのまま曲に使えると思います。多くのビンテージシンセは無駄なロー成分もたくさん入っているので、宅録で使う際には、ある程度エンジニアリングの知識が必要になりますが、このモデルは整った音を鳴らしてくれるので、ビギナーでも使いやすいでしょう。

 パネルには必要最小限のツマミが厳選されて配置されているので、操作をしていても使い勝手が良かったです。それぞれの効きもシャープで、アタックを強めたり、リリースを長くしたりといった音作りもしやすいと思いました。

音を汚したりなじませたりできる
ノイズツマミを搭載 sp1

ライン録りしたシンセの音ヌケが良過ぎる場合、ノイズを少し混ぜると生楽器とのなじみが良くなる。本機にはノイズを加えることができるノイズツマミが付いており、手軽に音を汚すことができる


アナログシンセならではの非常に効きのいいフィルターを装備 sp1

効きのいいフィルターは、ボタンで特性を2ポール/4ポールで切り替えられる。プリセット音をさらに太くしたり、あるいはローカットするなど、音色を作り込む際に即戦力のツールとして活用できる


16トラックのMIIDIシーケンサーと sp1

16ステップ×4トラックという仕様のシーケンサーと、色々なパターンを手軽に選べるアルペジエーターを搭載している。アルペジエーターを使えば、初心者でも本格的なフレーズを鳴らすことが可能だ





Mopho X4


製品画像

概要

シーケンシャル・サーキットの名機「Prophet-5」譲りの重厚な音色を内蔵している44鍵仕様のアナログシンセサイザー。プログラム数はデイヴ・スミス史上最多となる1024種類(内ユーザー512種類)で、ビンテージ系から最新の音楽シーンに合うものまで幅広い音色を備えている。また、アルペジエーターやシーケンサーも内蔵している。

価格:オープンプライス(市場予想価格:¥175,000)
問:(有)福産起業
TEL:03-3746-0864

spec

●鍵盤:44鍵(アフタータッチ) ●音源:アナログ ●最大同時発音数:4音 ●入出力端子:ヘッドホン、アウトプット×2(L、R)、サスティンペダル、MIDIイン/アウトorスルー(選択)/ポリチェイン(最大16ボイスまで拡張可能) ●シーケンサー:16ステップ×4トラック ●アルペジエーター:15モード、MIDI同期可能 ●外形寸法:640(W)×281(D)×91(H)mm ●重量:6.2kg




nishi-ken

葉山拓亮(ハヤマ ヒロアキ)


D-LOOPの一員として1997年にデビュー。現在はLUNA SEAの河村隆一とINORANと共にTourbillonのキーボーディストとしても活躍している。また、他のアーティストへの楽曲提供も100曲を超え、安室奈美恵やDo As Infinityなど、ジャンルを問わず多岐に渡る。近年はレコーディングやライブのサウンドプロデュースも手掛けている。




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