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ストライモンDECOの性能をクラムボンのミトが本気でチェック!

ミト

ミト


クラムボンのリーダーであり、ベースやギターなどを担当。クラムボンのほとんどの作曲を手掛けている。また、木村カエラのアルバム『Circle』の表題曲など、他のアーティストへの楽曲提供も行ない、多方面で活躍中。今年の4月には映像作品集『clammbon music V集』を発表した。


DECOのテープコンプの感じはスチューダーA800に近い

──ミトさんは、これまでにストライモンの製品を使ったことはありますか?

ミト:最初に使ったのは、blueSkyというリバーブですね。使った瞬間からいいなと思いました。24ビット/96kHzのレコーディング環境に合う、AD/DAコンバーターがしっかりしたコンパクトエフェクターって、他にはあまりないんですよ。でも、ストライモンのエフェクターはそのへんのクオリティがしっかりしているし、挿すだけで音が良くなるのでバッファーアンプ的な効果も得られるんですね。音の立ち上がりとか輪郭もしっかりしていて、何よりもリバーブとしての性能もすごくいいんですよ。ラック型のリバーブと同レベルの性能と音質を感じましたし、後継モデルのBigSkyも発売されたらすぐに買いました(笑)。

──今回は、オープンリールのテープレコーダーの効果を再現することができるDECOを試していただきましたが、印象はいかがでしたか?

ミト:テープの歪みの度合いが調整できる「サチュレーション」というツマミに魅力を感じました。ライブとかでアコギをラインで鳴らすと、どうしても音の線が細くなってしまって、なかなかマイクで録っているような質感には持っていけないんですね。でも、DECOだったら、そういうストレスを解消してくれると思います。まずアコギのライン録りで試してみたんですけど、ライン特有の細い音を太くしてくれました。

──サチュレーションのツマミはどのように動作するのでしょうか?

ミト:9時まではテープならではのスムーズなコンプレッションと倍音が付加されて、12時に進むにつれてサチュレーションの値が増加していきますね。ライブでエレアコとかを弾くなら、サチュレーションを9時くらいにして、あとはボリュームを調節するだけでも十分にファットな音が作れます。あと、エレガットのライン録りで使っても良かったですね。マイクとマイクプリを使って録った時に得られるウォームな太さが出せました。他にドラムでも試してみましたけど、重心が下がっていい感じにロックな音になるんですよ。

──ミトさんは何度もテープレコーダーを使って録音をされているそうですが、本物と比較していかがですか?

ミト:スチューダーやアンペックスとかのテープレコーダーを使ったことがありますけど、DECOのサウンドはすごく独特だと思いました。テープコンプの感じはスチューダーA800に近くて、サチュレーションのジリッ〞とする感じはアンペックスATR-102に近いんですよね。スチューダーのサチュレーションはミッドローが結構強いんですけど、アンペックスはもう少し上の500〜800Hzあたりのところにすごくいい具合で色が付くんです。その感じに似ていると思いました。

──そもそも、テープの魅力とは?

ミト:テープを通すとローの輪郭がしっかり出るんですけど、それによってさらに音像を前に出せるんです。このDECOはローミッドの感覚がアナログに近くて、ストライモン特有の音の太さと相まって、ローミッドのカラーが強いですね。

原音の太さを前に出しつつレベルが上げられるのはありがたい

──ディレイやモジュレーションの機能も試されたそうですね?

ミト:今回は、コルグのMS20というアナログシンセを使ってモジュレーションやディレイを試してみました。「ウォブル」というフランジングの具合を調整するツマミの質感が独特で、ミュートロンのBIPHASEみたいな太いモジュレーションが作れるのが面白かったですね。

──では、ディレイはいかがでしたか?

ミト:モノラルのシンセとの相性がすごく良くて、音質の太さとしてはモーグのMooger Fooger MF-104Mに近いです。「バウンス」というモードにするとピンポンディレイみたいになるんですけど、それでリード系の音色を強調したり、広がり感を作ることもできます。他にも、例えばハイハットに味が欲しいと思ったら、DAWソフトに録ったハイハットをDECOに送って、「ラグタイム」というツマミを回してモジュレーションやディレイの感じを変化させたり、サチュレーションで歪ませたりと、リアルタイムでツマミを回してハイハットの質感を変えるなんてこともできちゃいますよね。

──他に気づいた点はありましたか?

ミト:ツマミの挙動が12時まではおとなしいんですけど、例えば2時から3時の間の変化幅が大きくて、とんでもないことになっているとか、そういう昔の楽器っぽいところがある点も気に入りました(笑)。12時を過ぎてからのヤンチャ感もDECOの魅力だと思います。

──かなり気に入られたようですね。

ミト:とにかくテープサチュレーションの再現性が精巧なのが本当に素晴らしいです。それと、最初にも言いましたけど、AD/DAコンバーターの性能が良くて、原音の太さをしっかりと前に出しつつレベルを上げてくれるのはありがたいですね。でも、テープレコーダーを使った録音を体験したことのない若い人には、DECOの音が逆にモダンに感じるかもしれないですね(笑)。DECOを使って、「これがテープの音なんだ」とわかってくれたらうれしいです。

DECO

DECO

オープンプライス

(市場予想価格:¥32,000前後)


製品概要

 「DECO」は、60〜70年代にスタジオで使用されていたアナログマルチレコーダーに録音した際に得られるテープの歪み感(サチュレーション)やコンプ感を忠実に再現したモデルだ。2台のレコーダーを使うことで得られるダブリングの他に、フランジングやフェイジングなど、様々な効果が得られる。なお、インプットは内部のスイッチを切り替えることでステレオにすることもでき、Y 字ケーブルを使えばシンセなどのステレオサウンドを入力することも可能だ。


SPEC



●入力インピーダンス:1MΩ

●出力インピーダンス:100Ω

●最大入力レベル:+ 8 dBu

●AD&DA 変換:24ビット/96 kHz

●入出力端子:インプット、EXペダル端子、アウトプット(L)、アウトプット(R)

●外形寸法:102(W)×117(D)×67mm(H)(※突起部含む)

●重量:450g

●付属品:専用パワーサプライ




リア

▲リアにはインプットの他にアウトプットが2つ、エクスプレッションペダル用の端子が用意されている

シンセやDAWソフト

▲DECOはギター以外にも、シンセやDAWソフトで打ち込んだドラムなどにかけても効果的だ

ミトのオススメ設定

▲ライブでエレアコやエレガットをプレイする時に最適なミトのオススメ設定。サチュレーションのツマミを9時くらいにすると、ライン特有の細さがなくなり、ファットな音質になる





DECOのサンプルセッティング

Subtle Chorus

【Subtle Chorus】

アナログテープによるコーラス効果が得られる設定で、アンサンブルの中でも際立つ


Slappy

【Slappy】

背面の壁から反射したかのような、リアリティに溢れたスラップバックエコーが得られる設定


Leads

【Leads】

サチュレーションが効いた、リードフレーズを際立たせることができるオーバードライブトーン


Zero

【Zero】

伝説的な名盤で聴ける、2台のデッキによるクラシックなテープフランジングを再現する設定




【YouTube動画】 



(株)オールアクセス

052-443-5537

詳しくは(http://www.allaccess.co.jp/strymon/deco/deco.php)をご覧ください。